2013年11月24日日曜日

注文の夥しい料理店についての簡潔な報告についての所感

お陰様で今年は沢山の制作機会に恵まれた。
ざっと以下の通り。

A Short Account of the Restaurant of Abundant Orders / December 14-15 / Yokohama /
CARRY-IN PROJECT #14 / October 3 / Seoul, Korea 
FIEND AND SYMPTOM / September 20-23 / Yokohama /
100 MASSACRE in Azumabashi Dance Crossing Final! / August 17 / Asahi Art Square, Tokyo /
OSUNU OTAMAI UKARUBEKASU in TACT/FEST / August 2-4 / Loxodonta Black, Osaka /* 
CARRY-IN PROJECT #12-13 Slovenia-Croatia tour 2013 / April-May / Ljubljana, Rijeka / 
Rotten To The Core in Azumabashi Dance Crossing 2013 / March 29-31 / Asahi Art Square, Tokyo /* 
CARRY-IN PROJECT #11 / February 24 / Yokota Hospital, Tottori city
Z≠G≒D / February 9-10 / KAAT Kanagawa Arts Theater, Yokohama /* 
* _危口統之ソロ活動)

数えてみると10回もあった。ほとんど月イチだ。普通、宣伝なども含め制作に最低でも2ヶ月はかかるという舞台芸術にあってこのペースはちょっと過剰で、だから全てが上手く行っているわけではない。こちらの不慣れや落ち度で迷惑を掛けたこともあるし、いまも掛けている。


これらの上演機会を、その枠組から大きく2つに分けてみる。主宰公演か否か、という線引である。

1)悪魔のしるしによる主宰公演
FIEND AND SYMPTOM / September 20-23 / Yokohama /
A Short Account of the Restaurant of Abundant Orders / December 14-15 / Yokohama /

2)A フェスティバル/イベントから打診され参加したもの(こちらから働きかけた場合も含む)
Rotten To The Core in Azumabashi Dance Crossing 2013 / March 29-31 / Asahi Art Square, Tokyo /* 
CARRY-IN PROJECT #12-13 Slovenia-Croatia tour 2013 / April-May / Ljubljana, Rijeka / 
OSUNU OTAMAI UKARUBEKASU in TACT/FEST / August 2-4 / Loxodonta Black, Osaka /* 
100 MASSACRE in Azumabashi Dance Crossing Final! / August 17 / Asahi Art Square, Tokyo /
CARRY-IN PROJECT #14 / October 3 / Seoul, Korea 

2)B 依頼を受けて参加した滞在制作型プロジェクト
Z≠G≒D / February 9-10 / KAAT Kanagawa Arts Theater, Yokohama /* 
CARRY-IN PROJECT #11 / February 24 / Yokota Hospital, Tottori city


こうしてみれば一目瞭然だが、自らが主体となり企画した公演は2つしか無い。そのふたつも、依頼された仕事の合間をかいくぐるように計画したせいで、スケジュールが過密となり、関係者には負担を強いる場面も多々あった。

フェスティバルなどは一年前から準備するのは当たり前、場合によっては数年単位で計画が進むこともあり、その規模は小さな劇団の計画のスケールを遥かに超える。これは、メンバー全員で足並みそろえ作らんとする結束感を脅かし、また、普段は正規非正規にかかわらず市井の労働者として生きる我々のリズムを破壊する。しかし受注するということはそういうことなのかもしれない。依頼もしくは提携公演が増加することによりアマチュア劇団は専業化していく。そのときメンバーのうち何人がそこに身を投じていくのか。フェス側はこの問題には無関心であるし、関心を持たれてもどうしようもない。

2)の枠組みに含まれるイベントの全てに、予算全額ではないにしろ、公共のお金が投入されている。というか、1)の主宰公演2作品も横浜市からの助成を受けているので、今年の活動はつまるところその隅々にまで公的資金が投入されていることになる。だから、内容には配慮しよう、と過剰に意識することは無いにしても、この事態について自分なりに考えたいことは山ほどある。しかし今は山を山としか認識し得ていない。今後は道ならぬ道を見出し、そこらにうごめく木々や虫や鳥や獣の生態を見極めていきたいと思っている。そして罠を仕掛け、獣を捕らえ、屠り、喰らう。

これは完全に偽悪的な意見だが、各種のイベントで盛り上がる季節__まあ要するに秋なのだが__になると、年度末に街のあちこちで始まる道路工事を思い出す。無駄遣いか、といわれればそうかもしれないが、実際労働者はそれで飯を食っている。完全に無駄な事業など無いし、また完全に有益な事業も無い。なんだって形になれば、本来の機能・目的とは違ったありようで使用されることを免れ得ないものだ。この文章も書いた自分の思惑を超えたところで受け取られる危険性を常にはらんでいる。

はらむ、とするならば、次に来るのは産むことでなければならない。
文章にしろ、作品にしろ。


元々は、次回公演について思うところを書いてみたかったのだが、やはりと言うか、書いているうちに逸れてしまった。また明日続きを書こうと思う。